岡 瑞起 Mizuki Oka
東京大学 知の構造化センター
未踏IT人材発掘・育成事業2009年度下期クリエーター
プロジェクトテーマは「ウェブデータからの行為抽出エンジンの開発 」
●起業に至った経緯、または起業に興味を持った経緯
私自身は、大学院卒業後大学の研究員として勤めていてこれまで起業の経験はありません。いま、大学のより幅広い研究分野が社会のため役立てることができる時代になってきました。従来では考えられなかった分野の研究が起業というものに結びつく時代の到来です。
「産官学の連携を図り、社会に貢献する研究を行っていく」というスローガンは これまで何度となく掲げられました。
しかし、日本ではそれが産業的にうまくいった例が少なく、日本には研究と産業社会の間には「死の谷」の存在があるなどといわれた、あるいは現在でもそういっている人もいます。
しかし、ウェブの発展で、大学や企業の間の「死の谷」を 越えてコミュニケーションが簡単に行え、企業化が実現する研究内容も広がるというフォームが整ってきました。
これは日本の大学人にとってもうれしい状況の変化です。これまでは困難だったことも今だからこそ初めてできるこが増えてきたのです。これは、研究と実践を同時に行える環境が整ってきたと言い換えることもできます。このような環境だからこそ可能な新しい形態の企業化に結びつけられたらと思っています。
●育った環境と起業の関わり
私の個人的体験として、高校時代に単身でイタリアに留学し、インターナショナルスクールで2年間寮生活をした経験が、現在の私の在り方、考え方に大きく影響していると思っています。
留学中、育った環境や文化の違いが特段に大きい状況で必要とされるコミュニケーションの方法を学んだり、それら違いがあるからこそ生まれてくる新しい発想に触れました。もちろん戸惑いや苦労も多かったですが、知的にも行動的にも刺激の多い毎日でした。
さまざまな文化や職種の人が集まってこそ、研究や開発が特段に進捗するという環境の存在を実感します。
●メンター・ロールモデル・影響を受けた人
私は、これまで色々な方々の影響を受けてきました。中学時代から時系列に並べると、中学・高校時代それぞれのバドミントンコーチ、イタリア留学時代のルームメートで親友のBrenda、現在ニューヨークでアーティストとして活躍している友人のAki、大学院時代にお世話になった加藤和彦研究室の面々、Googleインターン時代のプロジェクトマネージャー、マイクロソフト研究所で一緒に机を並べて研究していたエネルギッシュで優秀な中国人学生、など本当に沢山います。
最近では、pingpongプロジェクトを通じて出会い、現在一緒にプロジェクトを進めているメンバーの方々から多くのことを学んでいます。
メンターとは、よき相談相手、自分の足りないところ、本質的な重要な点を指摘くれる人ですが、それらの人に出会えるかはまさに偶然ですが、こちらも何か必死に努力してないと出会えないような気もしています。
●失敗談
失敗はこれまでに沢山あります。研究では失敗は日常的なことです。失敗半分成功半分であるような人は恵まれた人だと思います。
気楽な失敗(?)としては、言葉に関することが非常に多い気がしています。
最近では、建築家の藤村龍至さんが主催するLRAJ2010というイベントに参加させていただき、発表していたときに「弱いセマンティック」と言おうとして「ヨマンティック」と言ってしまったことでしょうか(笑)。
普段でもTwitter(@miz_oka)で色々つぶやいている中にも誤字脱字が多いです。正しい日本語を綺麗に話せて、書けるよう普段から心掛けようと努力中です。
●提供サービス
pingpongプロジェクト: http://www.pingpong.ne.jp/
Twitter での言葉の中から、環境における人々の「行動」を読み解き、環境の改変と人々の新たな「行動」を生み出すためのパラダイムとソフトウエアを提供しています。このプロジェクト自体も日々発展しています。